3つのよかったこと:エクササイズの内容とやり方
「3つのよかったこと」は、その日にうまくいったことを3つと、それぞれがなぜ起きたのかを、約1週間、毎晩書き留めるエクササイズです。
執筆者 Yagyesh Bobde · · 更新日
この種のエクササイズとしては、指示がひときわ具体的です。感謝しましょうでも、前向きなことを振り返りましょうでもありません。今日うまくいったことを3つ書き、それぞれの横に、なぜそれが起きたのかを書きます。それを1週間、毎晩続けます。
「3つのよかったこと」のエクササイズは、これですべてです。出典は、American Psychologist誌に掲載されたSeligman、Steen、Park、Petersonによる2005年の論文です。この研究はインターネットを通じて行われた無作為化プラセボ対照試験で、幸福感を高める5つのエクササイズを、対照となる筆記課題と比較しました。そのうち3つで、幸福感の持続的な向上と抑うつ症状の軽減が見られました。これはその1つです。
実施手順をわかりやすく
手順は4つ。それだけです。
- 1日1回、その日の終わりに、うまくいったことを3つ書きます。
- それぞれについて、なぜ起きたと思うかを書きます。
- 大まかな分類ではなく、その場面をもう一度思い描けるような、具体的な出来事にします。
- 約1週間、毎晩行い、その後は続けるかどうかを決めます。
ノートでも、スマートフォンのメモでも、アプリでも構いません。研究で検証されたのは、評価尺度やチェックボックスではなく、自由記述の形式です。
「なぜ起きたのか」を書くことが大切な理由
ほとんどの人が省いてしまうのが、この部分です。そして、記述の役割を変えるのも、この部分です。「デプロイがうまくいった」は記録です。「設定を別の人にも確認してもらったので、デプロイがうまくいった」は説明であり、繰り返し実行できる行動を示しています。
ただし、ここでのエビデンスは正確に捉える必要があります。3つの出来事を書く部分と、原因を書く部分を切り分けた研究はないため、原因を考えるステップが効果を生んでいるとは、誰にも断言できません。これは検証された手順の一部だということであり、効果を生む核心であるという主張よりも控えめな位置づけです。
大きなことより、具体的なこと
最もよくあるつまずきは、目標を高く設定しすぎることです。人に話すほどのことを3つ見つけようとして、何も見つからず、やめてしまいます。
ハードルは、もっと低くてよいのです。「頼んでいないのに誰かがいれてくれたチャイ」なら、1年後もその場面を思い浮かべられそうです。「家族」は分類にすぎず、分類は記憶に残りにくいものです。具体的に書くことで、後から読み返す意味も生まれます。それは、よい体験を味わうこと(セイバリング)にとって、主な手がかりになります。本当に何もないように感じる日には、何かに気づくこと自体が練習です。
エビデンスが実際に裏づけていること
知見は3つあります。期待を持ちやすいものから順に見ていきましょう。
2005年の最初の研究では、1週間の実践後、6か月にわたって幸福感の向上と抑うつ症状の軽減が持続しました。これが最も注目された結果であり、このエクササイズが知られるようになった理由です。
MongrainとAnselmo-Matthewsは2012年に追試を行い、対照条件をより厳密に設定したところ、結果はもう少し控えめなものになりました。幸福感の向上は再現されましたが、自分に関する肯定的な情報を思い出してもらうことだけを目的とした「ポジティブ・プラセボ」条件でも、同じように向上が見られました。抑うつについては、このエクササイズは対照条件を上回りませんでした。研究者らは、短時間で行うポジティブ心理学のエクササイズは、形式に特有の何かではなく、共通する要因を通じて作用する可能性があり、抑うつへの効果も当初考えられていたより小さいと解釈しています。
より広く見ると、39件の研究を対象にしたBolierらによる2013年のメタ分析では、ポジティブ心理学的介入全般の標準化平均差は、主観的ウェルビーイングで0.34、心理的ウェルビーイングで0.20、抑うつで0.23でした。効果は小さく、一部は3〜6か月後まで持続していましたが、出版バイアスの兆候があり、研究の質にもばらつきがありました。「小さいながらも、効果はある」が正確な要約です。それ以上の主張は、効果を大きく見せすぎることになります。
関連する知見として、感謝することを列挙する実践についての研究もあります。EmmonsとMcCulloughによる2003年の実験では、感謝していることを書き出した人は、面倒だったことを書き出した人よりも、楽観性と生活満足度が高いと報告しました。
どのくらい続けるのか、効果は続くのか
最初の研究では1週間でした。医療従事者を対象にしたSextonとAdairによる2019年の予備研究では15日間でした。この研究では、1か月後、6か月後、12か月後に、情緒的消耗感、抑うつ症状、幸福感の改善が報告され、効果量は0.16〜0.52でした。開始時点のスコアが懸念される範囲にあったサブグループでは、効果がより大きくなっていました。ただし、対照群のない予備研究なので、決定的な結果ではなく、有望な結果として受け止めてください。
数週間を超えて続けた場合については、正直なところ、誰も測定していません。予想できるのは、毎晩同じ3つの分類を書いていると、何かに気づいているという感覚が薄れていくことです。それはエクササイズの失敗というより、ごく普通の快楽順応です。
よくつまずくところ
問題は無関心ではなく、続けることです。これらの試験では、途中で参加をやめてしまうことが繰り返し問題になっています。個人で取り組む場合も同じです。調子のよい晩は4回続いても、最初のつらい晩に日記が途絶えてしまいます。
10個ではなく3つにする本当の理由は、そこにあります。30秒で書き終えられる形式なら、1日書き忘れた翌晩にも最後まで書けるでしょう。今夜は3つでも多いなら、1つ書いてください。書かずに終わった完璧な記録より、実際に残した1行のほうが価値があります。
参考研究
- ポジティブ心理学の進展:介入の実証的検証 — Seligman, M. E. P., Steen, T. A., Park, N., & Peterson, C. (2005)
- ポジティブ心理学のエクササイズは有効か? Seligmanら(2005)の追試 — Mongrain, M., & Anselmo-Matthews, T. (2012)
- 45のよかったこと:ウェルビーイング介入「3つのよかったこと」の前向き予備研究 — Sexton, J. B., & Adair, K. C. (2019)
- ポジティブ心理学的介入:無作為化比較試験のメタ分析 — Bolier, L., Haverman, M., Westerhof, G. J., Riper, H., Smit, F., & Bohlmeijer, E. (2013)
- 恵みを数えることと負担を数えること:日常生活における感謝と主観的ウェルビーイングの実験的検討 — Emmons, R. A., & McCullough, M. E. (2003)
よくある質問
「3つのよかったこと」とは、どんなエクササイズですか?
毎晩寝る前に、その日にうまくいったことを3つ書き、それぞれの横に、なぜそれが起きたと思うかを書きます。3項目を一度に、原因も含めて書く。それが、最初に検証されたエクササイズのすべてです。2005年の研究では、これを1週間行いました。
どのくらいの期間、続ければよいですか?
最初の研究では、参加者に1週間実践してもらい、その後6か月間追跡しました。医療従事者を対象とした2019年の予備研究では15日間でした。どちらも短期間です。研究は、ずっと続けなければならないとも、1週間が最適だとも示していません。1週間は、単に最も多く測定されてきた実施期間です。
必ず3つ書く必要がありますか?
いいえ。3つという数は実用上の目安であり、研究で最適だと示された数ではありません。ここで紹介した研究には、3つを2つや5つと比較したものはありません。3つなら、疲れた晩にも書き終えられるくらい少ない数です。数そのものより、それが大切ですし、何も書かない晩にするより、1行でも書くほうがよいでしょう。
どんなことを「よかったこと」として書けばよいですか?
具体的で、実際にあったことなら何でも構いません。立派な出来事である必要はありません。頼んでいないのに誰かがいれてくれたチャイ。静かに歩いた帰り道。うまく気持ちが伝わった1通のメッセージ。目安は、1年後もその場面を思い浮かべられそうかどうかです。「家族」や「仕事」といった分類では、漠然としすぎていて、書き留める意味が薄れてしまいます。
なぜ、それが起きた理由も書く必要があるのですか?
最初の実施手順に含まれていたからであり、多くの人が省いてしまう部分だからです。原因を書くことで、単なるリストが説明に変わります。その出来事につながるようなことを、自分や誰かがしたのだと気づけるようになります。ただし、この部分だけを切り離して検証した研究はありません。効果が実証された要素というより、検証済みの手順の一部として捉えてください。
しばらくすると、効果がなくなりますか?
正直に言えば、試験での実践期間は数週間だったため、2年目についての信頼できるデータはありません。確認されているのは、最初の研究での効果が控えめだったこと、慎重に設計された追試では、もっともらしいプラセボでも同程度の幸福感の向上が見られたこと、そして同じ3つの分類を書き続けると、実践が単調になりがちだということです。
「3つのよかったこと」は感謝日記と同じですか?
感謝日記の具体的な形式の1つです。感謝日記は、感謝していることを書き留める実践全般を指します。「3つのよかったこと」では、数を3つに決め、原因も書き、1日の終わりに行います。