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感情のラベリング

気持ちを言葉にすると、その強さが和らぎます。感謝日記にどう生かせるのか、測定された効果はどれほど小さいのかを解説します。

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気持ちに名前をつけることと、気持ちを感じることは別の行為です。感情のラベリングとは、前者のこと。自分が感じているものを、漠然とした「嫌な気分」のままにせず、「不安」「恥ずかしい」「ほっとした」といった言葉で表すことです。

2007年の脳画像研究で、Liebermanらは参加者にネガティブな画像を見せ、そこに表れている感情に名前をつけるか、別の方法で処理するよう求めました。感情に名前をつけた場合は、比較対象の条件よりも、その後の扁桃体の反応が低くなりました。これは課題中の脳活動を測定した結果であり、気持ちに名前をつければ問題が解決するという証拠ではありません。

感情のラベリングと感謝日記

この知見は、気分を数値で選ぶだけでなく、その横に6語ほどの短い言葉を添える根拠になります。「気分が落ち込んだ」では、数値を文字で言い直しただけです。「部屋の件でまだ返事がない」なら、具体的なラベルになります。気分の記録をつけているなら、こうして言葉にする部分に意味があるのです。

感謝日記では、同じことをよい出来事にも当てはめられます。それが、単なるリストと日記の一節を分ける違いです。「ルームメイトに感謝」では、項目を挙げただけです。一方、「ルームメイトが私の口数が少ないことに気づき、理由を聞かずにいてくれたことに感謝」なら、実際に起きたことを言葉にしています。具体的に言葉にすることで、ただ欄を埋めたものではなく、ひとつの記憶になるのです。

ただし、この考え方をどこまで広げられるかについては、2つの限界を率直に伝えておく必要があります。2007年の脳画像研究の結果は、不快な表情の顔を見るという、実験室での1回のセッションで得られた知見であり、日記を研究したものではありません。また、感情について書くことを扱った研究全体では、効果は認められるものの、その大きさは小さいとされています。Frattaroliによる2006年の、実験的自己開示に関する146件のランダム化研究のメタ分析では、平均効果量はr = .075と報告されました。つまり、取り組む価値はあっても、1回書くたびに大きな効果を期待するものではない、ということです。気持ちが長く続いたり、恐ろしく感じられたりするなら、向き合う相手はノートではなく、専門家です。

研究

よくある質問

感情に名前をつけると、その感情は弱まりますか?

必ずしもそうではなく、研究が示したことも、厳密にはそれとは異なります。2007年の研究で、Liebermanらは、感情に名前をつけると、ほかの方法で処理した場合に比べて、その後のネガティブな画像に対する扁桃体の反応が低くなることを確認しました。これは、脳画像装置の中で行った1つの課題について、1つの指標を測定した結果です。その言葉を書き留める根拠にはなりますが、気持ちを消すためのテクニックではありません。

感情のラベリングは、感情を吐き出すことと同じですか?

いいえ。感情を吐き出すとは、気持ちを長々と、強い調子で表すことです。感情のラベリングは、それよりも小さな行為で、気持ちを正確に言い表すことを指します。1語でも6語でも、発散するためではなく、正確さを重視して言葉を選びます。日記でいえば、嫌な午後について3段落書くことと、実際に何が嫌だったのかを1行で書くことの違いです。

自分が何を感じているのかわからない場合は?

その場合は、感情の代わりに状況を書きましょう。「今週、夜遅くなるのは3回目」なら、それに伴う気持ちに名前をつけられなくても、ラベルとして使えます。自分の内面を正確に表すより、起きたことを正確に書くほうが簡単ですし、1か月後に読み返してもわかるのは、その部分です。